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  放牧酪農(マニュアル)

●放牧草からの栄養摂取量と補助飼料の給与法

1.牧草の消化率とTDN含量の変動
 短草状態の牧草の栄養価は季節を通じて放牧草の栄養含量(乾物%)が高く、特に春出穂前は濃厚飼料並の高い値を示します。しかし、春は繊維含量が低く、繊維不足を招く場合があるので注意が必要です。
代表的な放牧地の牧草を季節ごとにサンプリングして、飼料分析センターに送り、牧草の栄養価を把握しておくことが大事です。
2.放牧方法と採食量
 採食量は草質や牛の生理状態によって異なりますが、放牧草の乾物採食量は昼夜放牧の場合、体重の約2%を標準とします。
●放牧草の栄養含量(乾物%)
季節
草地の状態
TDN
CP
NDF
春(5~6月)
良い
80
23
38
普通
78
18
45
劣る
75
16
50
夏(7~8月)
良い
72
21
50
普通
69
16
52
劣る
60
13
60
秋(9~10月)
良い
73
20
48
普通
70
18
50
劣る
61
15
55
●放牧草の乾物採食量(体重比%)
草地の良否
良い草地
普通の草地
劣る草地
乳期
泌乳前期
中・後期
泌乳前期
中・後期
泌乳前期
中・後期
春・秋
2.1
2.3
1.9
2.1
1.7
1.9
1.9
2.1
1.7
1.9
1.5
1.7
●放牧地からの推定養分摂取量と補給(夏季の補助飼料の給与例)
日乳量
kg
放牧草
DMkg
サイレージ
現物kg
濃厚飼料
現物kg
ビートパルプ
kg
35
11.1
10
8
3
28
12.4
8
4
2
20
13.3
6
1
2

日乳量
kg
TDN
充足率%
CP
充足%
乾物採食量
体重比%
NDF
含量%
TDN
CP比
35
102
112
3.7
44
4.6
28
101
114
3.2
48
4.6
20
106
129
2.7
52
4.5