| 作物 |
飼料用稲 |
| 品種 |
つきすずか、モグモグあおば(比較対象) |
| 栽培地 |
曽於郡大崎町 |
| 栽培者 |
鹿児島県 19 |
| 栽培面積/a |
50、50 |
| 播種量/10a |
4、4 |
| 播種日 |
2023年4月8日、5月9日 |
| 調査日 |
2023年7月28日、9月4日 |
| 収量/10a/kg① |
生草/つきすずか 7,063 モグモグあおば 5,873 |
| 乾物/つきすずか 1,632 モグモグあおば 1,445 |
| 乾物率%/つきすずか 23.1 モグモグあおば 24.6 |
| 収量/10a/kg② |
生草/つきすずか 5,484 モグモグ あおば3,959 |
| 乾物/つきすずか 2,013 モグモグあおば 1,508 |
| 乾物率%/つきすずか 36.7 モグモグあおば 38.1 |
| 栽培概況 気象・生育・展示 |
・飼料用イネは地域の自給粗飼料として多く栽培利用されているが、従来型の飼料用イネは子実の未消化部分が多いことが原因とされる栄養損失や、糖分が少なくサイレージ発酵が進みにくいなどの課題が指摘されていた。そこで、これらの改良を目的として育種改良された極短穂型の飼料用イネ品種の栽培実証・展示を行うことで、良質粗飼料の増産につなげる。栽培期間(定植~最終調査)中の平均気温は24.8℃、積算降水量は1,477㎜で、平年より0.9℃高く、304㎜多かった。(1)出穂:5月9日の移植日から100日前後につきすずかの出穂が始まった。モグモグあおばは80日前後に出穂が始まったことから、同じ晩生でも20日程度の差があることが確認された。(2)草丈:移植後80日時点では、つきすずかの草丈は134.9㎝でモグモグあおばより5㎝程度低かったが、118日目には154.5㎝となり、モグモグあおばより15㎝程度高くなっていた。(3)径数:1株当たりの径数については、移植後118日時点では、つきすずかは約20本でモグモグあおば(12.5本)に比べ1.6倍程度と多かった(80日調査時点では1.2倍程度)。(4)収量:定植後118日時点では、生草収量5,484kg/10a(モグモグあおばの1.39倍)で乾物率36.7%、乾物収量は2,013kg/10aで、モグモグあおばの1.33倍の収量であった。乾物収量で500㎏も多かったことから、購入乾草(80円/DMkg仮定)で換算すると40,000円/10aの増収効果が期待された。また、立毛の状態で乾物率が30%を超えていたことから、ダイレクトでの収穫による良質サイレージ化も可能と推定され、出穂後に高糖分が3ヶ月程度維持される特性(日本草地畜産種子協会資料より)を考慮すると、機械作業の省力化や作業分散がしやすいなどのメリットも推測された。(5)病害:一部にごま葉枯病が見られたが、モグモグあおばより発生は少なく生育に影響がでるような病害は見られなかった。(6)その他の状況:穂長は、つきすずかが9.6㎝でモグモグあおばより12㎝ほど短かった。また、1本当たりの籾数は23.3で、モグモグあおばの10分の1程度と極短穂で茎葉発育型の特性が確認された。(7)普及性:早期水稲地帯での実証となったが、「つきすずか」は「モグモグあおば」より出穂が20日程度遅い晩生種であることから、食用早期水稲とのコンタミのリスクが少ないことや、病気の発生も少なく多収であったことから、曽於地域早期水稲地帯に適した飼料用イネ品種として有望であり普及の可能性は高い。また、草丈はモグモグあおばより高いが、籾数がモグモグあおばの10分の1と重心も低いことから、倒伏しにくい品種であることや、出穂後糖分が高い状態が続き、茎・葉が多く未消化の籾として排泄される無駄も少ないことから、利用性の高い品種として今後普及が期待される。しかし、新たな品種が地域に普及するためには、苗作り業者の理解促進と、水の管理手法やコンタミ等のリスクが少ないことなどの周知がカギになると思われる。 |