飼料用稲|つきあやか、つきすずか、つきことか

作物 飼料用稲
品種 つきあやか、つきすずか、つきことか
栽培地 阿蘇市三久保
栽培者 熊本県 4
栽培面積/a つきあやか(25a)、つきすずか(60a)、つきことか(30a)
播種量/10a
播種日 2022年5月28日
調査日 つきあやか、つきすずか2022年9月29日、つきことか10月4日
収量/10a/kg① 生草/つきあやか 4,392 つきすずか 5,060 つきことか 5,227
乾物/つきあやか 1,471 つきすずか 1,558 つきことか 1,637
乾物率%/つきあやか 33.5 つきすずか 30.8 つきことか 31.3
収量/10a/kg②
栽培概況 気象・生育・展示 ・近年の気象変動や不安定な国際情勢等に起因する原油高、円安等の影響により飼料価格が高騰する中、飼料用イネ(WCS用イネ)は水田を活用した良質な粗飼料として広く利用されている。特に、阿蘇地域は県内でも上位の作付面積となっているが、新たに育成された極短穂型品種の「つきあやか(中生)」、「つきすずか(晩生)」、「つきことか(極晩生)」の3品種について阿蘇市に展示圃を設置し、現地試験を行った極短穂型品種は、穂が短く籾の収量が極端に少ない品種である。WCS(ホールクロップサイレージ)に調製時の乳酸発酵が促進され、良質サイレージの生産が可能であることに加えて、光合成された糖分が籾ではなく茎葉に蓄積されることなどから牛の嗜好性が良好で消化性が高いとされている。出穂日は「つきあやか」9月3日、「つきすずか」9月6日、「つきことか」9月21日。極短穂型品種の収穫は、出穂からおよそ30日後が適期とされているので、「つきあやか」と「つきすずか」は、9月29日に収穫時の調査を行った。調査時の生育ステージは、中生の「つきあやか」、晩生の「つきすずか」は完熟期だった。「つきあやか」は、全体にいもち病が見られた。極晩生の「つきことか」は、後作の関係から10月4日に調査を行った。「つきことか」は、出穂日が9月21日と遅かったため、10月初めでも乳熟期だった。阿蘇地域では10月に入ると気温が下がるため、それ以降の登熟は期待できないと思われる。「つきあやか」の稈長は、「つきすずか」と同程度で「つきことか」より短かった。「つきあやか」の穂長は、「つきことか」と同程度で「つきすずか」よりやや短かった。10aあたりの乾物収量は、「つきあやか」<「つきすずか」<「つきことか」の順だった。考察:試験した3品種は、いずれも隣接する圃場において同一耕種条件で栽培したものの、「つきあやか」にはいもち病の発生が見られたことから、本病への抵抗性が他の2品種より低いと思われ、当地域での栽培は検討が必要である。また、「つきことか」は出穂が遅く、当地域では10月に入っても登熟が進まないことから、出穂30日以降が収穫適期という極短穂型品種の特性を生かすことは難しいと思われる。これらのことから、「つきすずか」が当地域の栽培に適する品種と考えられる。
撮影図
  • 飼料用稲|つきあやか、つきすずか、つきことか
  • 飼料用稲|つきあやか、つきすずか、つきことか
  • 飼料用稲|つきあやか、つきすずか、つきことか

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