栽培概況 気象・生育・展示 |
・経年劣化や強害雑草の増殖により生産性が低下した草地において、初期生育に優れ栄養価が高いとされる新品種ペレニアルライグラス「夏ごしペレ」を簡易更新機により播種することで、生産性向上を図ることを目的とした。播種後の発芽状況は良好で、根雪となった12月上旬までに10~15㎝の生育量は確保された。越冬後も残存し、気温の上昇とともに伸長速度も高まり、初期生育の良さは確認できたが、雑草抑制効果までは確認できなかった。ただし、融雪後に鳥獣害被害があり、イノシシによる掘返しやシカによる新芽の食害が著しかったことから、品種特有の初期生育が発現されたか疑問が残る。また、梅雨明け以降9月末頃までの長期に渡り、例年にない記録的な高温少雨が続いたため、2番草は減収し、その後、草地全体が赤茶色となり再生不良状態となってしまった。このため、本品種の特徴である越夏性については判断できない状況(例年並みの夏であれば対応できたのか、夏枯れで完全に絶えてしまっているのか、が不明)。9月中旬から3番草の収穫調整が行われたが、ヒエが主体で、「夏ごしぺれ」は一部散発的に見られた程度。初期生育が早いとの特性を生かし、草地内に荒廃か所や裸地を見つけた際、夏ごしペレを直接散播してみたところ、耕起や鎮圧をしなくても発芽し、1~2か月で地面が見えないくらいに生長していた。このため、草地補修や収量補完的な活用も期待できる。 |