栽培概況 気象・生育・展示 |
・収穫適期の異なる品種を組み合わせた作付け体系を検討するため、「つきはやか」「つきあやか」を栽培展示した。移植後、目立った病害虫の発生は見られず順調に生育したが、「つきあやか」では肥料の散布ムラによる生育ムラが生じた。分げつの発生は少なく、葉色は濃く経過した。成熟期調査では、「つきはやか」では100㎝を超える長稈となったが、倒伏は見られなかった。穂数は両品種とも少ない傾向であった。穂長は両品種とも短く、特に「つきあやか」では着粒数も少なく、極短穂型品種の特性が確認できた。出穂期は「つきはやか」で8/11、「つきあやか」で8/16であった。乾物収量は、「つきはやか」で936.7kg/10a、「つきあやか」で714.7kg/10aとなった。「つきあやか」では生育ムラが収量に影響したものと考えられた。当地域では、WCS用稲の作付けは、水田のフル活用や飼料自給率の向上に向けて取り組まれており、畜産農家からは、高品質な稲WCSの安定供給が求められている。一方で、WCS用稲の作付面積拡大に伴い、刈り遅れによる品質低下が懸念されている。今回展示栽培した「つきはやか」「つきあやか」は、晩生で収穫適期が長いため、当地域のWCS用稲作付け体系に導入することにより、収穫作業の分散が図られ、刈り遅れの防止につながると考えられるため、普及が期待できる。 |