| 栽培概況 気象・生育・展示 |
・当地域における適応性及び「夢あおば(比較品種)」や「つきすずか(比較品種)」、主食用品種と収穫期分散が図れるかを確認する。通常の水稲移植時期と比較して移植時期は遅かったが、天候に恵まれその後の生育は良好であった。病害虫の発生は特になかった。「つきあやか」の出穂期は「夢あおば」より2週間遅く、「つきすずか」より2週間早かった。坪刈り調査の結果、「つきあやか」は生草収量で10a当たり3,949kgと飼料用米・稲WCS兼用品種「夢あおば」の3,900kgよりも50kgほど多収であった。また、穂重の割合は3%と供試した中で一番低く、同じ稲WCS専用品種の「つきすずか」と比較して5ポイント、「夢あおば」より25ポイント低かった。当地域における「つきあやか」の収穫作業適期は9月下旬頃、「夢あおば」は9月上旬、「つきすずか」は10月上旬であったことから、品種構成を検討することで収穫時期の分散が図られることが確認できた。また、「つきあやか」はΦ100×85㎝のロールを、10a当たり9個収穫でき、他品種より多くのロールを生産できると考えられる。これまでの稲WCSは穂の割合が多く、その上未消化の状態で出てきてしまうのでムダだと思っていたが、「つきあやか」は収量が多く、穂の割合がとても少ない。その分茎葉に糖分を蓄積するので飼料としてとても良い。これからは「つきあやか」を主体で作付けしたい。以上のことから、「つきあやか」はこれまで安達地域で作付けされてきた他品種と比較して収量性に優れ、かつ、収穫時期分散よる適期刈り取りが可能となることから飼料としての品質向上も期待され、当地域において有望な品種であることが確認できた。 |