栽培概況 気象・生育・展示 |
・福島県内で栽培事例の少ないペレニアルライグラスである、福島県飼料作物奨励品種に指定された新品種「夏ごしペレ」を、標高約480mのオーチャードグラス主体牧草地にて、簡易草地更新機を用いて追播種した。初期生育は順調で、大きな病害虫の発生は確認されなかった。追播する前年(令和4年)の収穫ロール数は、21ロール(1番草11ロール、2番草8ロール、3番草2ロール)に対して、追播後(令和5年)の収穫ロール数は、29ロール(1番草12ロール、2番草10ロール、3番草7ロール)となり追播後の収穫量は大きく改善した。しかし、記録的な高温・干ばつによって、3番草のオーチャードグラスの再生は良かったが、ペレニアルライグラスの再生状況は悪く、ペレニアルライグラスは地上部のほとんどが枯死し、雑草の侵入も見られた。令和5年9月20日に1番草のロールを開封すると、通常のヘイレージよりも黒っぽい色をしていたが、搾乳牛に給与したところ、喜んで食べており、嗜好性が大変良いと感じた。写真①:(R4.11.16)簡易更新機で追播種55日後の生育状況。メジャーのある部分がペレニアルライグラス。写真②:(R5.5.29)列状に再生するペレニアルライグラス。写真③:(R5.8.31)ペレニアルライグラスは、記録的な高温・干ばつにより褐変しており枯死している。写真④:(R5.9.20)搾乳牛への1番草給与状況。ペレニアルライグラスが含まれるヘイレージは香りも良く、オーチャードグラス主体のヘイレージよりも黒っぽい色をしているが牛の嗜好性は良好である。 |