| 栽培概況 気象・生育・展示 |
・極短穂茎葉型稲WCS専用品種「つきあやか」を展示して、当該地域における適応性や従来品種と収穫期分散が可能かを確認し、地域の飼料増産につなげる。生育状況について、地域の通常の水稲移植時期である5月上~中旬に移植後、大きな気象災害等がなく天候に恵まれ、生育は良好であった。病害虫の発生はほとんど見られなかった。「つきあやか」の出穂期は8月11日であったが、猛暑の影響により出穂期は例年より早まった。収量性について、坪刈調査の結果、増肥区及び慣行区ともに、従来品種より多収であった。穂の割合は増肥区で1.6%、慣行区で3.9%と、低い結果となった。今回展示ほを設置した地域は、例年8月中旬から9月上旬にかけて稲WCSの収穫調製作業を実施しており、取組面積は約30haとなっている。今以上の面積拡大を図るには、刈り遅れによる品質低下を招かないよう収穫適期をずらすことができる品種の導入が必要であり、併せて畜産農家が求める品質に対応するため、極短穂茎葉型専用品種である「つきあやか」の実証展示を実施した。その結果、「つきあやか」の当地域における収穫調製作業適期は9月下旬頃となり、品種構成を検討することで収穫時期の分散が可能であることが確認できた。一方、穂が少ない点については評価するが、長稈であるため収穫機で十分裁断できていない部分があること、茎が太く固いため、牛の食い付きが良くないと思われた。以上のことから、「つきあやか」は収量性に優れかつ収穫時期分散による適期刈り取りが可能となることから飼料としての品質向上も期待され、当地域において有望な品種であることが確認できたが、牛の嗜好性と飼料の栄養価等については引き続き調査を行う必要があると考えられた。また、近年の温暖化により、主食用米品種の収穫適期も早まっているが、当地域では主食用米の収穫前に稲WCSの収穫調製を終わらせたいことから、「つきあやか」の多収性等についてはメリットを感じるものの、もう少し早く収穫できる品種を要望したく、次年度は「つきはやか」の導入を検討することとした。 |