栽培概況 気象・生育・展示 |
・収穫適期の異なる品種を組み合わせた作付け体系を検討するため、「つきはやか」を栽培展示した。移植後、目立った病害虫の発生は見られず、順調に生育した。分げつの発生は少なく、葉色は濃く経過した。成熟期調査では、「コシヒカリ」と比較して、100㎝を超える長稈となった。本年度は、8月4半旬~5半旬及び9月3~5半旬の降雨により、コシヒカリを中心に倒伏が平年より多く発生し、刈取作業が遅延した。一方、「つきはやか」では倒伏は見られなかった。穂数は「コシヒカリ」と比較して少ない傾向であった。穂長は「コシヒカリ」と比較してやや短かった。出穂期は8月2日で、コシヒカリと比較して2日早かった。成熟期は9月10日で、コシヒカリと同じであった。乾物収量は1,792kg/10aとなった。当地域では、WCS用稲の作付けは、水田のフル活用や飼料自給率の向上に向けて取り組まれており、畜産農家からは、高品質な稲WCSの安定供給が求められている。一方で、WCS用稲の作付面積拡大に伴い、刈り遅れによる品質低下が懸念されている。今回栽培展示した「つきはやか」は、収穫適期が長く、倒伏耐性も強いことが確認できたため、当地域のWCS用稲作付け体系に導入することにより、収穫作業の分散が図られ、刈り遅れの防止につながると考えられるため、普及が期待できる。 |