栽培概況 気象・生育・展示 |
・飼料価格が高騰しているなか、安価な自給飼料の安定確保を図る必要があるが、収量性や飼料品質に優れる稲WCS専用品種「つきはやか」について、本地域における栽培適性の把握・評価を目的とした実証展示圃を設置する。(1)作業状況等(鉄コーティング直播栽培):R6春堆肥散布、5/10播種・基肥施用・除草剤(初期剤)散布。6/7除草剤散布(初中期一発剤)、7/22追肥、8/10出穂、9/17収穫調査、10/20刈取。(2)生育状況他:苗立数は75本/㎡であったが、生育期間中の気象は高温多照で経過したため、生育は旺盛となり、8/19の草丈は141㎝、茎数は239本/㎡であった。「つきはやか」の出穂38日後に実施した収穫調査(坪刈り)の結果、生草収量は3,597kg/10a、乾物収量は1,567kg/10aであった。従来品種と比較して、乾物収量は160%であった。「つきはやか」の収穫物の穂の生重割合は15%、乾物割合は25%であり、極短穂型品種の特性が確認された。病害は紋枯病が小発生したが、倒伏は発生しなかった。また、その他病害の発生は認められなかった。調製前原料(茎葉)の分析結果(乾物中)は、CP4.3%、ADF26.1%、TDN61.1%であり、従来品種よりADFが10ポイント以上低く、優良な飼料であることがわかった。「つきはやか」は従来品種と比較して収量および飼料品質が優れることから、当地域における有望な品種であると考えられた。今後の作付け拡大が見込まれる。 |