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ノート 導入
 肉牛の役割
1肉牛の歴史(いつごろから日本人は肉を食べていたか)
   縄文時代の日本人は,たくさんの動物を食用としていました。なかでもイノシシやシカが多く食べられていました。弥生時代になると,狩猟中心から農耕中心に変わり,農作物が主要な食料となりました。牛や馬が大陸から入ってきたのはこのころのことです。これらは主として農耕用,運搬用に使われ,食用される機会はあまりありませんでした。
いつごろ,どのようにして日本に伝わったのか。
日本の歴史。大陸から伝わった文化
 《6年生:社会科》
   古墳時代以降になると,大陸から仏教が伝わりました。仏教には「殺すなかれ」という戒めがあり,いっさいの生き物を殺してはいけないとされました。こうして仏教が日本に入ってきて,たちまち日本中に広まると,日本人は魚は食べるが肉は食べなくなったのです。しかし,まったく食べないということではなくて,イノシシの肉はヤマクジラといって食べていました。そして,飛鳥時代から奈良時代にかけては肉食禁止令がしばしば出され,肉食の習慣が次第に弱まりました。その後,肉食禁止の風習は仏教を信じる民衆の増加とともに強まり,1725年の徳川綱吉の「生類憐みの令」によりその極に達しました。
 ところが,牛の肉をこっそり食べている人がいたといわれています。それは江戸時代に将軍が,牛の肉を食べていたというのです。近江牛のことで,元禄のころ(5代綱吉),彦根藩主(井伊氏)から,年に1回将軍家と御三家に牛の肉を差し上げるというならわしができました。その近江牛の肉は,そのままではなく,味噌漬でした。生の肉だったら運ぶのに十日もかかるのでとても無理でした。しかし,綱吉の死後「生類憐みの令」が廃止になり,江戸時代も後半になると,欧米人との接触が多くなり,一部の蘭学者の間で牛の肉を食べることがはやり,慶応初年には屠畜場が公式に認められるに至りました。
 明治以降になると文明開化の波に乗って肉食が盛んになりました。しかし,昭和20年代まではその消費量は欧米諸国に比べ著しく低く,食肉の消費が本格的に伸びたのは昭和30年代に入ってからです。

2牛肉が私たちの家庭に届くまで
   牛肉が生産されるには,まず農家が子牛を産ませ,それを育て,さらに太らせて十分脂肪をつけてから,市場や家畜商や協同組合に売られます。買われた牛は,屠畜場(食用にするための家畜を殺して解体するところ)や食肉センターあるいは大都市の中央卸売市場まで生きたまま運ばれます。屠畜場では検査員が病気の寄生虫の有無を調べ,異常がないものだけ,食べていいという証明を肉,内臓,皮の決められたところに印を押します。
 屠畜場での作業は,まず動物を気絶させ,血管を開いて血を十分出させてから,皮をはぎ,内臓をとり,頭と足の先を切りはずし,体を左右二つに割るという手順で行われます。こうしてできたものが枝肉です。動物を気絶させてから血を出させて殺すことによって,肉の中にある血がよく流れ出し,肉が生臭くなく,腐りにくくなるのです。
 枝肉は,問屋,仲買をとおして小売の肉屋に運ばれます。肉屋では肉が食べごろになるまで冷蔵しておき,骨からはずして,用途別に切って売ります。
 肉は体の部分によって,肉のやわらかさ,脂肪のつきかたなどが違っているので,それぞれに名前と等級がつけられています。大まかな部分では,背中,もも,わき腹,肩に分けられます。等級は牛では5段階に分けられます。このほかに,格付けといって,枝肉全体のよしあしによる等級もつけられます。1頭の牛からとれる肉の量は,体重500kgで,骨を除いた正肉で205kgです。
 
ランプ
ランプ
サーロイン
サーロイン
リブロース
リブロース
牧場でできたものはどこへ,どんな方法で送られているか。
地域の生産活動,自然環境との関係
  ≪3,4年生:社会科≫
畜産物が日本の食生活を支える上でどのような役割を果たしているか。
日本の食生産と食料生産
  ≪5年生:社会科≫
原料の入手にどのような工夫がなされているか。
製品の包装や保管,輸送はどのようにしているか。
遠くに離れた土地にできるだけ速く送るためにどんな工夫や努力がなされているか。
原料の入手や生産品の販売などの面での工夫や努力
  ≪6年生:社会科≫

 
牛の肉
かたロース
かたロース
 
そともも
そともも
ヒレ
ヒレ
ばら
ばら
写真提供:全国食肉事業協同組合連合会
 

3牛肉からできる製品(ソーセージ)
   ソーセージは,牛や豚のひき肉をすりつぶしたものに,調味料,香辛料などを加えて練り合わせ,それぞれに羊腸,豚腸,牛腸またはこれに類似した人工ケーシングに詰め,加熱したもので,いくつかの種類があります。
 ウインナは,オーストリアのウィーンで,フランクフルトはドイツで,ボローニアは中部イタリアで作られたその地方特有のソーセージを意味し,それぞれの地名からきています。わが国では日本農林規格で腸の種類または製品の太さにより決められています。ウインナは,羊小腸に充填 したものまたは製品の太さが20mm未満のもの,フランクフルトは,豚小腸に充填したものまたは製品の太さが20mm以上36mm未満のもの,ボローニアは,牛小腸に充填したものまたは製品の太さが36mm以上のものをさします。
ソーセージはどのような過程をへて作られるか。
よい味を出すためにどのような工夫がなされているか。
生産に携わる人々の工夫
  ≪5年生:社会科≫
 

製造方法による分類
 ソーセージの種類は非常に多いので,分類方法もいろいろあります。処理方法では,未加熱型,非加熱型,加熱型に分類されており,未加熱型にフレッシュソーセージ,非加熱型にセミドライおよびドライソーセージ,加熱型にウインナ,フランクフルト,ボローニアソーセージなどがあります。
・フレッシュソーセージ
 原料のひき肉に調味料と香辛料を加え,ケーシングに詰めたもので,硝酸塩,亜硝酸塩などの発色材を使用せず,食べる前に加熱します。わが国では生鮮肉として取り扱われています。腐敗しやすく賞味期間が短いので,冷蔵の状態で4〜5日以内に消費し,消費にあたっては必ず加熱しなければなりません。
・セミドライソーセージ
 乳酸醗酵させたソーセージをドライソーセージより短期間で乾燥させたもので,水分を少なくし,pHを低下させることで安全性が保たれています。
・ドライソーセージ
 ケーシングに詰めたあと,熟成室に長期間吊り下げ,水分が35パーセント以下になるまで徐々に乾燥させます。この乾燥中に乳酸菌による醗酵が起こり,pHが低下し,有害菌の増殖が抑制されて,室温でも長期保存が可能となります。乳酸醗酵を促進させるため,乳酸菌スターターを添加することもあります。


4製品の安全性
  ・総合衛生管理製造過程(haccpハサップ)
 ハサップとは,もともとはアメリカ合衆国のアポロ計画の宇宙食の開発・衛生管理方式がきっかけとなって,国際的な食品衛生管理の制度化へと結びついたものです。日本では1995年に厚生省が導入したのが始まりです。
 原料から製品にいたる生産の過程を記録して,製品のそれぞれの工程での衛生状況をチェックするシステムです。この制度は,製品の最終段階だけでなく,製造過程で病原性微生物の混入や発生を防ぐ目的をもっています。生乳,乳製品,食品加工品など6業種が対象で,申請があれば基準に照らして承認します。承認された製品は,信用を確保できることになります。
・有機畜産物の表示
 畜産物の国際的取引が増加している中で,狂牛病騒動などが引き金となって,安全な畜産物への関心が国際的に高まっています。ところが今まで,有機畜産物に対する国際指針がなかったため,コーデックス委員会が指針作りを開始しました。遺伝子組み換え作物を含まない有機飼料で飼育し,病気治療の目的以外で動物用医薬品を使わない,などの条件を満たした畜産物に「有機」と認証し,表示します。今後,有機の牛肉,牛乳,卵などの表示基準も設定されます。
製品の新鮮さと安全性を保つためにどのような努力がなされているか。
生産に携わる人々の工夫
  ≪5年生:社会科≫
製品の包装や保管,輸送はどのようにしているか。
原料の入手や生産品の販売などの面での工夫や努力
  ≪6年生:社会科≫

5牛肉の輸入自由化の問題
   わが国では,貿易収支が大幅に黒字になるにしたがい,農産物自由化に対する圧力が強まり,次々に農産物市場の貿易自由化を進めてきました。1962年では農産物の輸入制限品目が103あったものが,1970年には73,1980年には22,1993年には9まで減少しています。そして1993年のガット・ウルグアイ・ラウンドによって,米の特例措置を除くすべての農産物が自由化されました。
  戦後,食生活の変化などにより,順調に伸びてきた畜産業ですが,高齢化と後継者不足,安価な輸入畜産物の国内市場への流入などにより,現在では経営が困難な状況となっています。牛肉が輸入自由化となった1991年から1999年までの8年間に,乳用牛の農家数が41パーセント減少し,肉用牛農家でも44パーセント減少,養豚農家にいたっては65パーセントの減少となっています。特に零細規模農家での廃業が多くなっています。一方で,大規模農家数は増えており,このため,一戸あたりで飼育される家畜数は増加しています。畜産経営は,飼育頭数規模が大きくなるにしたがって,生産費用が割安となり,飼育に費やされる労働時間も短縮されるので,家族経営的な畜産から,規模拡大による企業経営的畜産へと移行しています。
 自由化された牛肉の輸入量は着実に増加してきています。1992年度に国産牛肉の自給率が初めて50パーセントを割り込んでからというもの,自給率の低下は一層進み,98年度には35パーセントにまで低下しました。自由化当初,輸入牛肉と直接対抗するのは乳用牛で,黒毛和牛などの高級肉については影響が少ないとされていました。しかし,消費者の低価格指向などにより,和牛の肥育農家も高級イメージだけでは生き残れなくなりつつあります。また酪農農家においても,乳用牛のオスを食肉用として売ることが副収入となっていたため,それぞれの農家の経営が圧迫されています。
畜産物が日本の食生活を支える上でどのような役割を果たしているか。
畜産物消費量はどのように変化しているか。
海外から輸入している牛肉の割合とこれからの食料生産の問題点は何か。
日本の食生産と食料生産
 ≪5年生:社会科≫
牛肉はどの国からどのくらい輸入されているか。
日本と関係の深い国々
  ≪6年生:社会科≫
牛肉の自由化は,わが国の畜産農家にどんな影響を与えているか。
世界の中の日本
  ≪6年生:社会科≫
https://souchi.lin.gr.jp/fureai/help/gakusyu-w7.htm
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