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牛乳の栄養,成分 |
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・糖質 牛乳中の糖質は,大部分が乳糖と呼ばれるものです。この乳糖は,動物の脳や神経の発達に欠かせない成分です。また,腸内で乳酸菌を増殖させるえさになるので,その酸によって,腸内で有害な細菌が増えるのを抑える働きもします。さらに,カルシウムの吸収をよくするという重要な働きもあわせ持っています。 ・脂質 牛乳の脂質は乳脂肪といわれます。乳脂肪は直径4ミクロンほどの小さな脂肪球で,ビタミンAを溶かして吸収させやすくするという大切な働きをします。 ・カルシウム 牛乳の成分でカルシウムは,骨や歯の形成に欠かせません。筋肉や心筋を収縮させたり,体液のpHを一定に保ったり,神経系の刺激伝達物質として脳や神経が円滑に働くようにしたりもします。さらに,出血したときの血液凝固やさまざまなホルモンの分泌にも関与しています。このように,血液中で多彩な生理作用をつかさどっているため,カルシウムが不足するとイライラ感情が起こるとされています。 |
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・カルシウムを上手にとる工夫 小腸からのカルシウムの吸収率は,食品の種類によって違います。カルシウムの多い食物の吸収率を比べてみると,牛乳53パーセント,小魚38パーセント,海草30パーセント,野菜18パーセントで,牛乳・乳製品が1番です。吸収効率のよい牛乳をたくさん飲むとカルシウム所要量は何の苦もなくとれるということになるのですが,食事の中の他の食品とのバランスから,脂質のとりすぎによる栄養のバランスの崩れなどに注意が必要です。それで,成人の場合1日600mgとされているカルシウム所要量を上手にとるには,おおよそ「牛乳・乳製品で300mg,小魚や野菜,海草などから300mg」という比率でとるのがよいとされています。 摂取されたカルシウムは,体を動かさないでいると骨には沈着しないでそのまま尿に排出されてしまいます。十分な運動によって体に刺激を与え,骨の新生を促す必要があります。 |
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それは,たんぱく質のカゼインと脂肪球です。カゼインは直径120〜180ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)というごく小さな粒子で,熱で固まりにくい性質のたんぱく質で水に溶けません。このカゼインが牛乳の水分などの中に分散していて光を反射させているために,牛乳が白く見えるのです。もう一つの脂肪球も光を反射させますが,カゼインよりずっと数が少ないので,牛乳から乳脂肪を抜き取ってしまった脱脂乳も白さはあまり変わりません。 |
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牛乳のたんぱく質のうち,熱で固まるたんぱく質は約20パーセントで,加熱すると,60℃をこえたあたりで変化が現れ,表面に膜ができてきます。この固まりには乳脂肪や乳糖など,他の成分も吸いつけられてしまうので,残りの牛乳の成分はうすくなってしまいます。膜を作らないためには,加熱しながら牛乳の表面をかき回すようにします。 |