2.放牧畜産基準(放牧畜産実践牧場の認証)

8.衛生管理

問2-26 本基準を順守すれば家畜は健康になりますか。
(答)
 放牧により適度に運動させることは、家畜の健康を維持し、繁殖性が向上するといったメリットが知られています。放牧経験がない舎飼牛を放牧すると、放牧開始時期に大きな環境の変化(気象、地形、施設、飼料等の変化)によるストレスを受けますが、そのような家畜についても適切な放牧馴致により、問題解決することができます。

【解説】

舎飼牛と放牧牛を比較した研究は多くありませんが、(独)畜産草地研究所の比較試験によれば、「血清グルコース濃度の動きから放牧牛の運動量は多く、糖代謝が向上していると推察される。適度な運動は健康維持に必要とされているので、この点でも放牧は有用」であること、また「ビタミンA、E及びβ-カロテンは放牧牛で高い。健康の維持や繁殖性の向上のために必要なこれらのビタミン類を、飼料添加物として給与すれば舎飼牛でも血中濃度を高められるが、放牧では労せずして多量に摂取させることができ、放牧の大きなメリット」であることが指摘されています。  ちなみにOIE(国際獣疫事務局)では、アニマルウェルフェア国際ガイドラインの策定をすすめていますが、OIEには快適な飼育により家畜を病気にさせないことが重要であるという考え方があります。舎飼であれ放牧であれ、家畜の快適性改善は生産性を高め、食の安全に通じる可能性があり、結果として経済的にも有利であると考えられています。

[参考]

  • 東山由美「放牧牛は舎飼牛よりストレスが少ない?」たより(No.16)、(独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
  • 小迫孝実「牛を放牧するときの馴致について」第6回放牧サミット(平成18年9月28日)(社)日本草地畜産種子協会( http://souchi.lin.gr.jp/event/6_3_6.php
  • 佐藤衆介「ウシの快適飼育法を認証する」びーふきゃとる、第8号、平成19年4月、(社)全国肉用牛振興基金協会、p.2-5( http://www.nbafa.or.jp/pdf/beef8/002_005.pdf