2.放牧畜産基準(放牧畜産実践牧場の認証)

問2-21 農林水産大臣が指定した飼料添加物とは何ですか。
(答)
飼料安全法により、農林水産大臣が指定した飼料添加物の具体的な品目は、(独)農林水産消費安全技術センターのホームページ上に掲載されています。
なお、抗菌性物質(抗生物質及び合成抗菌剤)の使用については、とくに注意が必要です。抗菌性物質は、その一部が飼料添加物として指定されていますが、添加した飼料を給与して良い家畜の種類や生育ステージ、飼料への添加量等が細かく定められています。これらに従わずに使用すると、法律による罰則の対象となります。
【解説】

農林水産大臣が指定する飼料添加物のうち、特に注意が必要な抗菌性飼料添加物(抗生物質及び合成抗菌剤)は、4つに分類されています。同一欄に分類された2種類以上の抗菌性飼料添加物は、同時に添加することができないと定めています。
下表は、牛用配合飼料に使用できる抗菌性飼料添加物を示しています。牛用配合飼料に使用できるものは、第1欄(主に抗コクシジウム作用のあるもの)、第3欄(主にグラム陽性菌に抗菌活性を示すもの)に分類されています。

牛用配合飼料で使用できる抗菌性飼料添加物 (2019年12月27日現在)
区分 飼料添加物名 単位 ほ乳期用 幼齢期用 肥育期用
第1欄 サリノマイシンナトリウム g力価 × 15 15
モネンシンナトリウム g力価 30 30 30
ラサロシドナトリウム g力価 × × 33
第3欄 亜鉛バシトラシン 万単位 42~420 16.8~168 ×

1)×:添加することはできない。
2)表中の数値は、飼料1トン当たりに含むことができる有効成分量。
3)ほ乳期用:生後おおむね3月以内の牛用配合飼料
幼齢期用:生後おおむね3月を超え6月以内の牛用配合飼料
肥育期用:生後おおむね6月を超えた肥育牛(搾乳中のものを除く)用配合飼料

出典)飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(2019年10月8日 農林水産省令第36号)
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/hourei/sub1_seibunkikaku.html#beppyou1

以上のことは、自家配合の際だけでなく、生育ステージ等に応じた飼料の切替え時にも注意が必要です。2種類の飼料の切り替えは徐々に行われるのが一般的ですが、その際、それぞれの配合飼料には問題がなくても、含まれている抗菌性飼料添加物の組合わせによって、同一欄の2種類以上を併用してしまう可能性があります。代用乳、人工乳を使用する際も同様の注意が必要です。
参考までに、農林水産大臣が指定する飼料添加物を下表に示します。(独)農林水産消費安全技術センターのホームページ上に公表されています。

農林水産大臣が指定する飼料添加物一覧(飼料安全法にもとづく)(2019年12月27日現在)
農林水産省令で定められている用途 類別 指定されている飼料添加物の種類
飼料の品質の低下の防止(17種) 抗酸化剤
(3種)
エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール
防かび剤
(☆)(3種)
プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム
粘結剤(5種) アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム
乳化剤(5種) グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル
調整剤(1種) ギ酸
飼料の栄養成分その他の有効成分の補給(93種) アミノ酸
(15種)
アミノ酢酸、DL-アラニン、L-アルギニン、塩酸L-リジン、L-カルニチン、グアニジノ酢酸、L-グルタミン酸ナトリウム、タウリン、2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニン、DL-トリプトファン、L-トリプトファン、L-トレオニン、L-バリン、DL-メチオニン、硫酸L-リジン
ビタミン
(34種)
L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウムカルシウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、アセトメナフトン、イノシトール、塩酸ジベンゾイルチアミン、エルゴカルシフェロール、塩化コリン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、β-カロチン、コレカルシフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、シアノコバラミン、硝酸チアミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パラアミノ安息香酸、D-パントテン酸カルシウム、DL-パントテン酸カルシウム、d-ビオチン、ビタミンA粉末、ビタミンA油、ビタミンD粉末、ビタミンD3油、ビタミンE粉末、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、メナジオン亜硫酸水素ジメチルピリミジノール、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、葉酸、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル
ミネラル
(41種)
塩化カリウム、クエン酸鉄、グルコン酸カルシウム、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニン亜鉛、2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニン銅、2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニンマンガン、DL-トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第一鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペプチド銅、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛(乾燥)、硫酸亜鉛(結晶)、硫酸亜鉛メチオニン、硫酸ナトリウム(乾燥)、硫酸マグネシウム(乾燥)、硫酸マグネシウム(結晶)、硫酸コバルト(乾燥)、硫酸コバルト(結晶)、硫酸鉄(乾燥)、硫酸銅(乾燥)、硫酸銅(結晶)、硫酸マンガン、リン酸一水素カリウム(乾燥)、リン酸一水素ナトリウム(乾燥)、リン酸二水素カリウム(乾燥)、リン酸二水素ナトリウム(乾燥)、リン酸二水素ナトリウム(結晶)
色素
(3種)
アスタキサンチン、β-アポ-8’-カロチン酸エチルエステル、カンタキサンチン
飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進(45種) 合成抗菌剤
(☆)(5種)
アンプロリウム・エトパベート、アンプロリウム・エトパベート・スルファキノキサリン、クエン酸モランテル、ナイカルバジン、ハロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム
抗生物質
(☆★)
(11種)
亜鉛バシトラシン、アビラマイシン、エンラマイシン、サリノマイシンナトリウム、センデュラマイシンナトリウム、ナラシン、ノシヘプタイド、ビコザマイシン、フラボフォスフォリポール、モネンシンナトリウム、ラサロシドナトリウム
着香料(1種) 着香料(エステル類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、テルペン系炭化水素類、フェノールエーテル類、フェノール類、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類及びラクトン類のうち、1種又は2種以上を有効成分として含有し、着香の目的で使用されるものをいう。)
呈味料(1種) サッカリンナトリウム
酵素(12種) アミラーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、キシラナーゼ、キシラナーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、β-グルカナーゼ、酸性プロテアーゼ、セルラーゼ、セルラーゼ・プロテアーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、中性プロテアーゼ、フィターゼ、ラクターゼ、リパーゼ
生菌剤(11種) エンテロコッカス フェカーリス、エンテロコッカス フェシウム、クロストリジウム ブチリカム、バチルス コアグランス、バチルス サブチルス、バチルス セレウス、バチルス バディウス、ビフィドバクテリウム サーモフィラム、ビフィドバクテリウム シュードロンガム、ラクトバチルス アシドフィルス、ラクトバチルス サリバリウス
その他(4種) ギ酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、二ギ酸カリウム、フマル酸

(合計 155種)

備考: ☆…抗菌性物質製剤
★…特定添加物

出典:飼料添加物(http://www.famic.go.jp/ffis/feed/sub3_feedadditives.html

[参考]