放牧の仲間たち 群馬県 神津牧場

群馬県
神津牧場

神津牧場は、明治維新まもなく外遊により欧米人と日本人との体格差をハダで感じた長野県佐久郡の青年神津邦太郎氏が、明治政府が掲げる「富国強兵・殖産興業」を実現するためには、まずは日本人の食生活から改めなければいけないと決意し、群馬県甘楽郡の地に牛舎を設置して開設した我が国最古の洋式牧場です。

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神津牧場

神津牧場は、放牧による自然に近い形で飼養する自給自足型の畜産をめざすため、小型で環境への適応力が高く運動能力に優れたジャージー種を海外から導入して本格的な牧場経営をスタートしました。 草と牛は一体であり、草を乳に換えることが神津牧場の経営の基本という創始者の意を受け、牛たちは自然の中でたっぷりと草を食べ、運動を十分に行っています。こんな健康な牛たちからしぼり出された牛乳は、濃厚で香りが高く、バターやチーズなどの乳製品にもコクが出てくるのです。また、これらの乳製品の加工・販売をすべて自分たちの手で行う一貫経営を創業時からこれまで変わらずに実践してきたのも、神津牧場の大きな特徴です。 神津牧場は、120年以上にわたって山のなかでコツコツと自分のペースを守りながら、大地にしっかりと根を張った資源循環型の畜産を行ってきました。飼料も自らで種を播き育て上げた牧草ですし、肥料も堆肥づくりを自ら行って有機畜産を目指しています。また、公益財団法人としての顔ももっていて、国や地方自治体の公的機関との共同研究や、日本の畜産の明日を担う人材の育成といった公共性の高い事業も行っています。