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3年生
  丸山町立丸小学校(千葉県)
3年生の「総合的な学習の時間」で畜産体験学習
  丸小学校は環境教育の研究校で,5,6年間続けて林業体験学習を行ってきた経験があります。
  ここでご紹介するのは,平成12年11月〜平成13年1月の間の畜産体験学習の活動事例です。
総合的な学習の時間 テーマ設定まで
 学区内には畜産農家が34軒あります。子どもたちと牛とのかかわりも,2年生の生活科の『町たんけん』の中で酪農家を訪れたグループがあったり,ほとんどの子どもが学区の中にある『酪農の里』や『嶺岡乳牛試験場』に少なくとも1,2度は行ったことがあったりなど,牛を見たり世話をする人たちの姿を見たりした経験があります。また,丸山町は酪農発祥の地とされていて,みんなそれを町の誇りの一つだと思っています。
  きっかけは,船橋市と千倉町の小学校から交流の申し込みがあったことです。そこで,丸山町の何を紹介するかを3年生全員で話し合いました。その結果,牛のことを教えてあげることになったのです。テーマ名を「牛のひみつをさぐろう」にして,まず,牧場へ見学に行きました。
活動の過程
牧場での体験
見学に行った牧場
佐野牧場は,酪農体験ができるという牧場で,3年生のクラスの子の家庭でもありました。
酪農体験ができる佐野牧場へ見学に行った。    
課題を決める
各自で,牛について疑問に思ったこと,調べたいことを出していって,ウェビングマップを作った。    
  ウェビングマップ−その1    
個人個人のウェビングマップを元に,クラス全体のウェビングマップを作った。 真ん中に課題を書き,そのまわりには調べたいことを書き,さらに関係する項目や疑問を話し合いながら書き加えていった。    
個別の課題を決定し,同じ課題を選んだ場合はグルーピングした。    
ウェビングマップは大きく書いて,いつでも活用できるように掲示しておいた。    
課題を調べる計画を立てる
 
課題ごとに,何を調べたいかを決めた。また,どうやって調べるかという計画を立てた。グループの場合は相談して進めた。
これらの学習の足跡が分かるように「牛ノート」にまとめていった。
  「牛ノート」
課題について調べる
 
個人またはグループごとに,調べに行った。    
主な課題
丸山町にある牧場の数
どんなえさを食べているのか
病気のときはどうするのか
昔,牛を飼っていた家の数
体重はどれくらいあるのか
ミルクはどれくらい出るのか

  協力していただいた牧場,施設,機関,または協力者  
体験酪農ができる牧場…尾形牧場,佐野牧場
牧野牧場(酪農家),吉野牧場(酪農家),御子神牧場(肥育農家)
公的機関…酪農の里資料館,嶺岡乳牛試験場,三芳酪農組合
個人の協力者…酪農家で『酪農の里』にいる方,帯広畜産大学の学生さん
調べたことをまとめる
それぞれ追求したテーマをグループまたは個人でまとめて,発表の仕方を話し合って決めた。    
学校に『モーモー資料館』を作ることを決めた。    
発表会 第1回目
大きな牛の絵を元にして発表したり,写真を見せたり,グラフで表したり,実物のえさを見せたり,クイズやペープサート,劇などの形態をとったりと,いろいろ工夫した。    
新しい課題を決める
もっと調べたいことを,再度,ウェビングマップに付け加えて,さらに課題を追求していった。    
  ウェビングマップ−その2
新しい課題について調べる
個人またはグループごとに,調べに行った。    
調べたことをまとめる
調べたことをまとめ,さらに,最終発表会の形として決めていた『モーモー資料館』を,どんな資料館にするか,オープニングはいつにするか,どんなオープニングにするかなどの相談をして,準備を進めた。    
10
発表会 第2回目
 
 
『モーモー資料館』のオープニングセレモニーを行った。館長を決めて,オープニングのテープカットも行った。
全校のみんなに発表した。環境ルームという広めの部屋で,まわりの壁に調べたことを貼り,内側には,牛の胃袋の仕組みをみんなに知ってもらうために,牛乳パックで牛の胃袋を形作った模型を置いた。

丸山町立丸小学校の3年生 丸山町立丸小学校の3年生 丸山町立丸小学校の3年生
  先 生 方  

 「牛」というテーマは,子どもたちがたいへん興味があり,地域の特色もよく表していて適切でした。それで,最後に『モーモー資料館』で発表するまで,子どもたちが意欲的に取り組むことができました。
 「総合的な学習の時間」は「自ら課題を発見する」ことが大事ですが,どんなに興味を持っているテーマであっても,いきなり課題を考えろというのは子どもたちにとって難しいことです。その前提となるような体験が必要です。ですから,まず牧場へ見学に行き,牧場がどんなところか,牛がどんなものかを,見る,感じるということで体験させました。
 牛に対してどんなイメージがあるかということから始めて,疑問に思ったこと,調べたいことを出して作ったウェビングマップの手法が,課題を明らかにするのに有効でした。また,第1回目の発表会後のウェビングマップ作りによって,さらに課題の広がりをもたせることができ,全体の構造をはっきりと意識化したり,追求課題を共有化したりすることもできました。
 はじめに牧場へ見学に行ったときは,「臭い」とか「汚い」とか言う子どももいましたが,牛や牧場のことを調べていくうちに,意識が変わっていきました。最後には,「大人になったら牛を飼おうかな」と言う子どもがいたり,牧場の長男の子は「俺が跡を継がなくちゃいけないな」なんて言ったり,みんな牛が好きになっていました。
 体験学習や調べ学習を進める場面では,地域の酪農家の方や酪農の里資料館の方や,畜産大学の学生さんなどの快い協力があって,子どもたちは牛のことについて詳しく調べることができました。この地域で昔はどのくらい牛を飼っていたかという課題についてのアンケートには,全校生徒の協力もありました。また,いくつかのグループに分かれてそれぞれ違う牧場へ行くことがあったので,そのときは父母の方が引率されるなどの協力もありました。また,直接的,間接的にも,地域のたくさんの人たちと交流が持てました。体験学習は,ただ見たり何かやったりするだけのものではなく,いろいろな人たちとの交流があることが大切です。
 この地域には『酪農の里 資料館』があって,かなり詳しく取材することができたのですが,図書資料が学校の図書館にも本屋さんにもほとんどなかったので困りました。インターネットで調べようとしても,子ども向けの内容ではありませんし,そういうデータや資料が子ども向けに作られているホームページがあるといいですね。テーマとして取り上げる内容に関する図書や資料をふだんから蓄積していくことが大切だと思いました。
https://souchi.lin.gr.jp/fureai/help/taiken3.htm
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