|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
学区内には畜産農家が34軒あります。子どもたちと牛とのかかわりも,2年生の生活科の『町たんけん』の中で酪農家を訪れたグループがあったり,ほとんどの子どもが学区の中にある『酪農の里』や『嶺岡乳牛試験場』に少なくとも1,2度は行ったことがあったりなど,牛を見たり世話をする人たちの姿を見たりした経験があります。また,丸山町は酪農発祥の地とされていて,みんなそれを町の誇りの一つだと思っています。 きっかけは,船橋市と千倉町の小学校から交流の申し込みがあったことです。そこで,丸山町の何を紹介するかを3年生全員で話し合いました。その結果,牛のことを教えてあげることになったのです。テーマ名を「牛のひみつをさぐろう」にして,まず,牧場へ見学に行きました。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「牛」というテーマは,子どもたちがたいへん興味があり,地域の特色もよく表していて適切でした。それで,最後に『モーモー資料館』で発表するまで,子どもたちが意欲的に取り組むことができました。 「総合的な学習の時間」は「自ら課題を発見する」ことが大事ですが,どんなに興味を持っているテーマであっても,いきなり課題を考えろというのは子どもたちにとって難しいことです。その前提となるような体験が必要です。ですから,まず牧場へ見学に行き,牧場がどんなところか,牛がどんなものかを,見る,感じるということで体験させました。 牛に対してどんなイメージがあるかということから始めて,疑問に思ったこと,調べたいことを出して作ったウェビングマップの手法が,課題を明らかにするのに有効でした。また,第1回目の発表会後のウェビングマップ作りによって,さらに課題の広がりをもたせることができ,全体の構造をはっきりと意識化したり,追求課題を共有化したりすることもできました。 はじめに牧場へ見学に行ったときは,「臭い」とか「汚い」とか言う子どももいましたが,牛や牧場のことを調べていくうちに,意識が変わっていきました。最後には,「大人になったら牛を飼おうかな」と言う子どもがいたり,牧場の長男の子は「俺が跡を継がなくちゃいけないな」なんて言ったり,みんな牛が好きになっていました。 体験学習や調べ学習を進める場面では,地域の酪農家の方や酪農の里資料館の方や,畜産大学の学生さんなどの快い協力があって,子どもたちは牛のことについて詳しく調べることができました。この地域で昔はどのくらい牛を飼っていたかという課題についてのアンケートには,全校生徒の協力もありました。また,いくつかのグループに分かれてそれぞれ違う牧場へ行くことがあったので,そのときは父母の方が引率されるなどの協力もありました。また,直接的,間接的にも,地域のたくさんの人たちと交流が持てました。体験学習は,ただ見たり何かやったりするだけのものではなく,いろいろな人たちとの交流があることが大切です。 この地域には『酪農の里 資料館』があって,かなり詳しく取材することができたのですが,図書資料が学校の図書館にも本屋さんにもほとんどなかったので困りました。インターネットで調べようとしても,子ども向けの内容ではありませんし,そういうデータや資料が子ども向けに作られているホームページがあるといいですね。テーマとして取り上げる内容に関する図書や資料をふだんから蓄積していくことが大切だと思いました。 |